ポメラを買うのこと

ポメラ


 ここ6ヶ月、ガジェット中毒と言うべき状況であるけれど、そろそろ自重しないといけないのを承知の上で、オフィス用品メーカー、キングジムが発売した、デジタルメモ ポメラを買ってきた。

 ファーストインプレッション的には、ものすごいノスタルジーを思い起こすデジタルガジェットだと思う。80年代だとか、DOS全盛期に、一世を風靡したワープロ専用機を思い出した。あのころは、たしかポメラ的な物でも、ものすごい値段がついていたように思う。個人的には、VaioXの宣伝コピーに、「余分はいらない。十分が欲しい。」というのがあるが、ポメラの本質にもあたると思う。

 ポメラには、基本的なテキストエディタ機能しかなく。右揃えや、均等割付や、センタリングや、懐かしの四倍角などといった、テキストを読みやすくし、印刷する機能は、まったくない。
 ただひたすらテキストが打て保存できるだけ、ただそれだけのデジタルガジェットである。思えば、かつてのワープロ専用機は、ソフトウェアが、豊富かつ差し替え可能な、パソコンに追い立てられ市場から姿を消したのであるが、ポメラは、まさにそこへのアンチテーゼだと思う。

 パソコンを使う理由として、テキストが、容易に高速に記述できるというのが、主な理由のひとつだが。そういう場合、据え置きのデスクトップでもよいが、軽くて携帯可能な機器ならもっともよい。そういう意味では、実は最強は、鉛筆とメモである。だが、キーボードで打てる文章の方が実際、疲れないし。字の綴りがわからないといった文章以外のことに煩わされない。

 結局そういった場合、携帯可能な機器を、自然に散財するようになるのであるが、だいたい高機能だが処理が遅い、そこにストレスがたまるのが普通である。
 まして一番重要なのだが、その割に高価だ。根本的に高速なテキストエディタがあればいい、ポメラを見た瞬間そこを思い出したような気がする。

 ポメラ自身気になるところとか強化して欲しいところは、いろいろあるが。ネットワークとかワープロ機能とかあれば言いように思うが、ポメラの場合それは無粋だ、むしろ、そういった機能は、別の機器に任せてしまえばいいのである。内部的には、emacsとかのキー割り当てが可能であればなおいいし、検索系も正規表現に対応して欲しいし、行番号表示も欲しい。既存のテキストエディタの方向性の進化をして欲しい。

 外形的には仕方ないのであるけれど、キーボードが左右に展開されるデザインなのだが、キーを打っていて、右側のがたつきが多少気になる。キーボードの品質だが、コンパクト型キーボードにしては、実に良い線を言ってると思う。根本的には、ペタペタ打つような格好になるのだが、適度な腰がある。ただし、DOS/V系のパーツによく見られる、安っぽい打鍵音がしてしまうのは、少しマイナスか。

 液晶は、そこにノスタルジーを強く感じてしまうのだが、一昔前のワープロ液晶そのものである。テキストメモ的には、カラー液晶であれば良さそうに一見見えるが、これが正解だと思う。

 コンパクトで軽量な本体、今だからこそできる、高速起動は、思いついたときに、テキストを打つと欲求をかなり満たしてくれるデジタルガジェットだと思う。

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ここ数年 透明水彩にはまってます。下手くそやけど。